決定版・ニッポンのグローバル人財教本 感想

今週もグローバルに関連した本を読みました。

決定版・ニッポンのグローバル人財教本

決定版・ニッポンのグローバル人財教本

本誌は現代日本のグローバルに関連する問題について「人財」という視点から述べています。気になったところをいつも通り抜粋させてもらいます。


 最初に日本人が勘違いしているグローバルという言葉についてですが、『「全てのものの間に境目が無くなった」という意味と、もう一つは「だからこそ浮かび上がる「自分」という個人と、それを取り巻く移ろいやすい「世界」との差・違いがはっきりしてくる」という意味』となっています。よって『頼りになるのは結局、自分。「日本人であり、個人である自分」が語れない人はグローバル・シーンでは活躍できない』と記されています。日本人はグローバル化により境目がなくなるとイメージしがちですが、本来大切な事は個人としての力となるらしいです。この勘違いによって日本と海外のグローバルに対する教育についても差が出てくるということになります。


 しかし、安易に海外のグローバルに関する考え方、教育方法を日本に取り入れようとしてもほとんど失敗してしまいます。その理由に『「タレント・マネジメント」「リーダーシップ」「コンピタンス」の三種の神器を掲げる欧米流グローバル人財マネジメント。聞こえは良く、一見論理的だが、我が国企業の実態とはあまりにもかけ離れすぎている』となっています。さらに『我が国企業の最大の問題点はそもそも「優秀な人材は存在しているのに、優秀なリーダーが存在していないこと」にあるのではないか』に繋がります。


 そこで、本誌ではグローバル人財について『大切なのは「グローバル」と「ドメスティック」の間をつなぐ人財。見落とされがちだが、これがいないとグローバル・ビジネスは廻らない』と記しています。さらに『必要なのは「人基準」をかなぐり捨て、「価値基準」を徹底すること。そしてグローバル・マクロ(国際的な資金循環)をリアルタイムで追い、同時に徹底した現地化に向けた努力を行う中で、ビジネス・チャンスを耐えずつかみとる「デキる人財」になることに他ならない』と加えて記しています。


 そして、本題のグローバル人財になるために必要なこととして『産業人財という意味でのグローバル人財になることを志すのであれば、まずもって「聞き上手」であるべきなのです。そしてそこで何を「聞く」のかといえば、相手の話から相手が置かれている「文脈」を知ることに全力を傾けるべきなのです』と記されています。聞き上手以外にも『外国企業や一国単位のエマージング・マーケットについて、それがどのような歴史的な背景の上に立っているのかをまずは徹底的に学ぶ。これは必ずしも英語や外国語の文献だけを用いるものではなく、日本語でも十分に学ぶことが出来るものである』と加えられています。


 まとめとして、最後の日本国内でもグローバル人財として鍛えることが出来るということについて一番考えさせられました。よくイメージされるのはグローバルのための勉強=海外で学習というイメージが強かったため、「なるほど」と感銘を受けました。このことについてもっと調べると面白いことが発見されるかもしれませんので自分でも深く調べてみようかと。