なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか : 世界の先進企業に学ぶリーダー育成法 感想
今週のノルマもグローバル化に関連する書籍を読みました。
本の名前は「なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか : 世界の先進企業に学ぶリーダー育成法」(長い)
なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか―世界の先進企業に学ぶリーダー育成法
- 作者: ドミニク・テュルパン,高津尚志
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/04/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本では名前の通りグローバル化に成功した企業の事例が多めでイメージが理解しやすくなっていました。特にネスレの事例については詳しく書かれていました。
成功事例のほかに、失敗事例というか日本企業がなぜグローバル化に成功しないのかについても書かれていました。要因として「日本企業の業績自体は日本で高い売上を誇っているので、グローバル化しない怖さに気づきにくい」と記載されていました。発展途上国でビジネスをする際、自国では限界があるので、世界を市場と見なければ生き残れないという事情があります。反対に日本では日本国内である程度売り上げを出すことが可能であるため、グローバル化に対して強く意識する必要性がありません。よって、先進国の日本が発展途上国に抜かされるケースが多くなっているということに。
日本がグローバル化につまづく理由についても詳しく書かれていました。特に参考になった点として、「モノづくりにこだわりすぎた結果、わかりやすいシステムに負けた」という項目。昔からモノづくり国家と呼ばれた日本は今もモノづくりの高品質な部分ではグローバル企業と戦える技術がありますが、システムとなる販売戦略や「地球規模の長期的戦略が曖昧で、わかりやすいシステムに負けた」などのモノ以外の事柄では上手くいかないためグローバル化につまづいてしまい、他国に遅れが生じてしまったようです。
さらに、日本での若手社員へのグローバル教育の問題点についても書かれていました。「有望な若者であるため、そのような人材は自ら学習すべきであるという暗黙の了解」という日本企業古来の様式によってチャンスを生かすことが出来ない場面がある。そしてグローバル化しなければならない若手社員はエリートであるため普段の業務で手一杯であり時間を作り出す事が難しい点もあります。その状況で自分で学習しなさいと言われるのは流石に厳しいかと思います。
「日本企業のグローバル化に対しての意識は積極的に攻めに行くというよりも、これからは海外に出るしか生き残りの道はないというムードに乗っているところがある」という言葉も記載されてました。後半にはグローバル事業をするための方法について書かれていましたが、この本の幹となる部分なので読んで確かめてみるのも良いのかもしれません。