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グローバル化した日本のマンガとアニメ 感想

読書

今週もグローバルに関連した書籍を読みました。

グローバル化した日本のマンガとアニメ (学術叢書)

グローバル化した日本のマンガとアニメ (学術叢書)

 題名通りアニメとマンガからグローバル化について書いてありますので、この書籍の国際化とグローバルの定義についてまず整理します。

 
 この本での国際化についての定義は『国際化(internationalization)とは、国民国家間の境界線を超えて行われる領域的活動』となっています。グローバル化については『グローバル化(globalization)は、時間と空間とを超える火領域的なグローバル・プロセス』となっており、『グローバル化においては、企業、銀行、NGOやNPO、個々人、ファンクラブ等が新たなアクターとなり、彼らが様々なネットワークによって、個々の利益や、嗜好や、目的関心を追求するために、また時には相互間の競争を衝動として、活動する』と記されてます。


 また国際化とグローバル化の関連については『「国際化」と「グローバル化」はどちらかがどちらかに吸収され消滅するというのではなく、平穏に並存し、利用し合い、時には緊張関係を生じ、さらには激しく敵対し合うダイナミックな関係として進行中である』となっています。敵対し合うというのはあまりない表現で参考になりそうかも。
 

 小説などの文字だけの場合、海外の言語という高いハードルが存在しています。その壁が低い例として今回のアニメとマンガが挙げられます。本誌では『マンガアニメが、絵文字言語文学として、グローバル時代への固有の強い適応力を持つということ』と記されてます。よってマンガ・アニメを楽しむことは日本以外の国でも他の文化と比べるとハードルが低くなっています。しかし、そこからアニメ・マンガの文化が流行することは別の問題となっています。


 『海を超えたマンガ・アニメが各地に根を下ろし、その土地で開花するためには、ローカルなマンガ作家が出現し、独自のキャラクターとストーリーラインが生み出されなければならない』となっているため、モノとして受け取るだけでなく自らアニメ・マンガを作りださなければ文化として衰退することは明白です。インドネシアでは自国で2本アニメを制作しましたが失敗し、日本製のアニメの方が面白いという結果に。アニメ制作のノウハウが日本と比べてしまうと相手にならない状況でした。そこで日本のアニメを「真似」して制作すること。案外いけない行動として思われる「真似」ですが、真似することは容易ではありません。ノウハウも何もなかったため真似することで学習するしかない状況だったのかもしれません。よって一概に「真似」することはダメということではありません。オマージュと言った方が良いのかもしれませんね。


 他の文化とグローバル化の広がり方の違いについても『コカコーラやマクドナルドの企業戦略としてのグローバライゼーションと、マンガ・アニメのグローバライゼーションとは、根本的に違うところがある。それはこの各地の草の根レベルのファンによる日常的な努力の有無である』と記されてました。政府・企業主体となってアニメ・マンガのグローバル化を進めたわけでなく、ファンが主体となって自然とグローバル化したことが成功に繋がったのかもしれません。


 まとめとして、今までのグローバル化というものは政府・企業の意図的戦略として活動してきましたが、マンガ・アニメの分野ではファン主導となって自然にグローバル化していった。この姿勢こそ成功率の高いグローバル化戦略かも。